「キングス・オブ・クレズマー」

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 前々から見たかったドキュメンタリー映画「キングス・オブ・クレズマー」をDVDで買って観た。


 クレズマー・ミュージックとは、東欧系ユダヤ人のフォークロア音楽をルーツとし、ユダヤ人の結婚式などの儀式の際にさかんに演奏された音楽。(篠田昌巳さんが、コンポステラで、カバーしていたのを聴いて、クレズマー・ミュージックを知りました。ジョン・ゾーンなどの前衛音楽やジャズにもクレズマーは多大な影響を与えているらしい。)」


 クレズマーとは、もともと放浪の楽士に対する乞食同然の蔑称であったが、現在は逆説的に誇りを持って、クレズマーと名乗っているようだ。 
 この映画の主役である、ポーランド系移民のエプスティン3兄弟(80才過ぎのおじいちゃん)も、故郷のクレズマー音楽を、ユダヤ系移民の結婚式などで、小さな頃から、なんと70年以上!も誇りを持って演奏し続けている。
 父親の故郷であるポーランドを訪ね、地元の老人たちを相手に路上で演奏するシーンは、感動するとともに、長い歴史の中で、音楽というものが民衆の底辺でいかにパワーを持っているかということを、あらためて実感した。


 それだけに、エプスティン3兄弟の現在のフロリダでの優雅な暮らしぶりは、かなり違和感を覚えずにいられなかったが。